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| (上)淫心『鳥どもの家』(1987) |
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(上)芙苑晶『木霊(Echoes)』(1990)
その独特なスタイルから、シンフォビエントという言葉の誕生する元になった嚆矢的作品。 |
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(上) 芙苑晶『荒廃(Ruins)』(1993)
シンフォビエント三部作の第2作。ダーク・アンビエントに加え、レイヴ的な作風が入り混じってきている。 |
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(上) 幻覚植物研究所(Psychedelic Plants Research Laboratory)『秘境(Unexplored Region)』(1994)
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| (写真提供= FZONO.COM ) |
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芙苑晶との関連 > シンフォビエント、相互影響、発展させた人
芙苑晶の音楽、とくに初期作品は、なんらかの意味でこのアンビエントという音楽と深い関わりを持っていると言っていいだろう。ただしそれは、シンフォビエントの項で述べたように、イーノやハロルド・バッドなどの環境音楽的な意味合いよりは、90年代以降に兆したアンビエント・テクノ、アンビエント・ハウス、ダーク・アンビエントといったカテゴリーに近い意味合いである。
とくに、サイビエントは彼の音楽に深い関連があるとされる。
また、そのアプローチの仕方は独特で、芙苑晶の場合、環境音によってシュールな映像感覚を描き出そうとする方法論に特色があると言える。
最も時代の古い順から考えると、芙苑晶関連の最初期の作品として挙げられるのは、「淫心」の『鳥どもの家』(1987)が挙げられるだろう。ここではすでに、現在言うダーク・アンビエントまたはアンビエント・ハウス的なアプローチが随所に見られる。
(同じく淫心がのち、1995年に出した3作目『不妊植物』も、同様にダーク・アンビエントまたはアンビエント・ハウス的なアプローチが見られる。)
その後「淫心」は、よく知られているとおり、マダム呪々脱退後、残る四人のメンバーがロンドンに渡ってアシッド・ハウス・ムーブメントに感化され、ファー・イースト・アシッド・ハウス・クワルテット(Far East Acid House Quartet) として再出発する。
文字通りアシッド・ハウスをはじめとする「レイヴ」音楽に特化した特異なバンドであったファー・イースト・アシッド・ハウス・クワルテットは、4ツ打ちキック主体のダンスミュージックへとシフトしていき、アルバムで言うと『肺魚の夢(Lung Fish Dreams)』(1995)においてダーク・アンビエント/アンビエント・ハウス的なアプローチが聴かれる程度で、アンビエント的な音楽からは遠ざかったものの、それはむしろ芙苑晶のソロ・アルバムにおいて復活しているのが興味深い。
「ファー・イースト」の悪名高き1st『十億の神経の針(A Billion Nerve Needles)』(1988)と並行して作られた芙苑晶の1st『燐光(Phosphorescence)』(1988、 Siamese Twin 名義)は、アシッド・ハウスの影響を受けながらもむしろ全体的な印象は今で言うダーク・アンビエントやアンビエント・ハウス+実験的電子音楽(ミュージック・コンクレート)に近い印象だし、さらに以降リリースされた『木霊(Echoes)』(1990)、『荒廃(Ruins)』(1993)そして『伽藍(Cathedral)』(1995)の三作に至っては、「シンフォビエント三部作(Symphobient Trilogy)」の名のとおり、シンフォニック・ロック+サイケデリック音楽+アンビエントを合成するという特異なスタイルでまとめ上げられている。
なかでもとくに、シンセを駆使して森の中の世界を顕微鏡で見たように描くというテーマを持った『木霊(Echoes)』、タイトル通り廃墟と死の匂いが漂う『荒廃(Ruins)』の二作は、環境音ないしアンビエント的シンセ・サウンドの使い方に非常に特色があり、興味深い。
また、ほぼ同時期に発表されたアメリカのユニット、幻覚植物研究所(Psychedelic Plants Research Laboratory) の2作目『秘境(Unexplored Region)』(1994)においても、同様に、ダーク・アンビエントまたはアンビエント・ハウス的なアプローチが聴かれるが、こちらは 現地ミュージシャンたち のトライバル・ハウスとの絡みがあるように感じられる。
さらにつづく『宇宙論(Cosmology)』(1998)、オーケストラをフィーチャーした大作『年代記(Chronicle)』(2003)のようなシンフォニックな傾向を強めた作品ですら、環境音やアンビエント・パッド的な音は多用されており、他のアルバム同様、いわゆるアンビエントというジャンルに括ることはできないものの、常にそれを取り込むか、またはこのジャンルに影響を与あえるといった相互関係が、芙苑作品とアンビエントの間には常にあったし、これからもおそらく続いていくと予想される。
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