| ディスクレビュー |
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「淫心」の 2枚目のアルバムにして第1期(5人編成=「ファー・イースト・アシッド・ハウス・クワルテット」のメンバーにマダム呪々を加えた編成)時代の最後の作品。このアルバムのレコーディング途中にマダム呪々は脱退し、四人編成になった彼ら(田嶋エリサ、スペースDJリョウ、市川カヲル、芙苑晶)が、芙苑晶の自宅でレコーディングして仕上げたものだ。
したがって「ファー・イースト・アシッド・ハウス・クワルテット」の前身バンドのアルバムだが、ほとんどの曲にマダム呪々は参加しているようである。 |
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| この作品は最初は自主制作でカセットリリースされ、ジャケットにはハンス・ベルメールの人形の写真が使われていた。のちに一時(94年頃か?)、 Nerve Nets Records からリマスター盤のCDで再発されているが、むろん現在はいずれもとうに廃盤だ。 |
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| サウンドは混沌とし意図がつかみづらいが、たとえばドイツのアモン・デュール(70年代初期のクラウトロック・バンド) などにも通じるような、サイケデリックでどこか狂気じみたような魅力がある。 |
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たとえば(おそらく芙苑晶の)ファルフィッサ・オルガンの薄気味悪い陰気な音、 ARP のサンプル・アンド・ホールドを使ったと思われるシンセの自動演奏や、市川カヲルの異様なサックス、田嶋エリサらしき薄気味悪い声なども含め、精神病院の中を覗いているような、全体にどこか暗く虚ろな感じの音で、芙苑晶の 3rd 『荒廃』にも一脈通じる幻覚的な世界はなかなかのものである。
第1期「淫心」の残した2作は、1st もそうだが、一部アンダーグラウンド・サイケデリック音楽のマニアの中には高く評価している人たちもいるようだ。 |
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| 今ではほとんど伝説になっているが、この年、ロンドンへ渡った彼らは「セカンド・サマー・オブ・ラブ」ムーブメントに遭遇、感化されてバンド名を「ファー・イースト・アシッド・ハウス・クワルテット」に変更、アシッド・ハウス・バンドに変身して活動を始めることになるが、ここには確かにその予感が萌芽のかたちで秘められているようにも思える。 |
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リズムトラックには当時ジェネシス・P・オリッジやスリッビング・グリッスルの音楽に感化されていたというスペースDJリョウの前衛感覚がよく出ていると思うし、それに一見何気なく聞き逃しそうだが、芙苑晶のキーボード・ワークやアレンジもけっこう効いていると思う。 |
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(天野ヒロキ) |