質問 >
少し前(2008年1〜3月頃)に、別々の二人の方から、相前後して同じことに関する、角度の異なる質問(しかし意味はほぼ同じ)をいただきましたので、同時に掲載し、回答したいと思います。
Q1:
芙苑晶のリミックス・アルバム『宇宙論入門(A Guide To Cosmology)』(2000)の中に、「Ayahuaska」という曲が収録されています。名義は、AQi Fzonoではなく、「Psychedelic Plants Research Laboratory」と記されています。
ゴア、サイケデリック・トランス的な(しかし晶さんらしい幻想的なメロディラインが印象に残る)素晴らしい曲で、これは埋もれた名曲だと思うんですが・・・。で、個人的にも非常に好きなんですが、この曲とアーティストに関して、質問がいくつかあります。
- この「Psychedelic Plants Research Laboratory」というのは、何でしょうか? そういうバンドか何かがあったのですか?
そちらのファンサイトの「バンド、ユニット」のページにもその名前は見あたりませんね。
しかし芙苑晶・公式サイト(fzono.com)を見ると、芙苑晶プロフィールの欄には、少しだけ登場します。初期の1987年頃に、そのユニット名義でニューヨークで野外ゲリラ・レイヴをおこなった、とあります。しかしそれ以外には、何の情報もありませんでした。
- 「Psychedelic Plants Research Laboratory」の音源は、出ていますか。
(Daisukeさん)
Q2:
初期の芙苑晶さんの音源で、「幻覚植物研究所(Psychedelic Plants Research Laboratory)」と題されたものがあった、という情報が、昔のファンクラブのニュースに出たことがありました。これはディスコグラフィにも載っていないようですが、この音源についてわかっていることがあれば、教えて下さい。
(YOCさん)
回答 >
A:
まず質問その1-1:
「この「Psychedelic Plants Research Laboratory」というのは、何でしょうか? そういうバンドか何かがあったのですか? 」ですが:
実を言うと、僕らもずっと昔に、このこの謎のユニットの存在に気がついて、前から「これ、何だろう?」と、疑問に思っていました。
というのは、ご指摘のように、『宇宙論入門(A Guide To Cosmology)』にそのアーティスト名が含まれている(他のアルバムでは、そのアーティスト名は見あたりません)のですが、それ以外には情報が全く何もなかったからです。
これは、芙苑晶さんのソロ・ユニット名で、
日本語名と併せて表記すると、「幻覚植物研究所(Psychedelic Plants Research Laboratory)」となります。
「幻覚植物研究所(Psychedelic Plants Research Laboratory)」---「何それ?」という人は多いかもしれませんが、「オーロラ・ヘッズ(Aurora Heads)」と言えば、ご存知の方も多いのでは。日本では、「Aurora Heads」名義でのほうが多く紹介されてきており、このサイトでも、かつてはその名義で紹介していたので、比較的最近のファンの方々は、そちらのほうが馴染みがあるかもしれません。
元々、野外レイヴなどでは「幻覚植物研究所(Psychedelic Plants Research Laboratory)」名義で活動していたのですが、これのアルバムのアメリカ盤のみがAurora Heads名義でリリースされていた(おそらく、契約の関係上か?)こと、また、日本に入ってきた数少ない輸入盤は、ほとんどアメリカ盤であったと見なされるため、ごく最近まで、この二つは異なる別のプロジェクトと受け取られていたようです(僕らも別物かと思っていました)。
他にも、90年代には、Hobo Summit、Acid Head Organization、Ambient Committee 等々、各国でのレイヴや状況によって名義を使い分けていたようで、混乱する人もいるかもですが、これ、全部同じ一つのユニットなのです。
で、これは全くの偶然ですが、ちょうどこの質問に対する回答ページを書こうとしていたタイミングと相前後して、2008年4月4日付けで、芙苑晶さんの公式サイトにおいて、これらの名義を「幻覚植物研究所(Psychedelic Plants Research Laboratory)」として統一する、という告知が出ました。
したがって、アメリカ盤で「Aurora Heads」名義で知られている旧盤がもし再発されるようなことがあれば、今後は「幻覚植物研究所(Psychedelic Plants Research Laboratory)」となるはずです。
これに関して、芙苑晶さんの公式サイトに、しっかりした情報が出ました。僕らのサイトでも紹介しています。今ではWikipedia(日本語・英語版とも)にも、掲載されていますので、そちらも参照して下さい。
芙苑晶公式サイト > 幻覚植物研究所(Psychedelic Plants Research Laboratory)
Wikipedia > 日本語 > 幻覚植物研究所
Wikipedia > 英語 > Psychedelic Plants Research Laboratory
さらに、質問その1-2:
「Psychedelic Plants Research Laboratory」の音源は、出ていますか。
ですが、これもご指摘の通り、芙苑晶さん関連の非常に古い初期の音源として、同じ名前のものが一つだけ見つかっていました。
1988年に1作だけ自主制作盤のLPがリリースされたもので、時期的に見ると、淫心の『鳥どもの家』とほぼ同時期のようです。
で、今回、たまたま二人の方から相前後して、ご質問をいただいたので、この件に関し、少し前(2008年の2月頃)に、公式サイト(fzono.com)のほうに問い合わせていました。その後(僕らが多忙だったせいもあり)、少し時間がかかりましたが、この経緯に関して、詳細な回答をいただいたので、概略をまとめた形で下記の通り報告します(文責: 天野)。
- 芙苑晶は、1987年、幻覚植物研究所(Psychedelic Plants Research Laboratory)名義でニューヨークで初の野外レイヴを挙行し、翌88年、日本では自主制作アルバムをリリースしている。のちに、ニューヨークのレーベルNerve Nets Recordsからアルバムを出す時に、レーベルとの契約の関係上、アメリカでのみ、アルバムはAurora Heads名義でリリースした。
(なお、一部、少部数ロットだが、ヨーロッパとアジアでは、Psychedelic Plants Research Laboratory名義でリリースされている)
したがって、ほんとうは「Psychedelic Plants Research Laboratory」である。去年(2007年)末、『恍惚的宇宙論 / トランス・レイヴ・コスモロジー (Trance-Rave Cosmology)』においてリミックス曲が収録されたのを最後に、芙苑晶はAurora Heads名義での活動を封印したため、今後はPsychedelic Plants Research Laboratoryとして活動する。したがって、今後はAurora Heads名義での活動は、Psychedelic Plants Research Laboratoryに統合される。
現在のところ、Aurora Heads名義で出していたアルバムは再発予定はないが、もし再発があった場合、Aurora Headsではなく、幻覚植物研究所(Psychedelic Plants Research Laboratory)名義での再発となるだろう。
したがって、Wikiやファンサイト等を含むウェブ上の公式情報は、今述べた基準に沿って全面的に改訂・統一される必要がある。
- また、幻覚植物研究所(Psychedelic Plants Research Laboratory)については、以前より一部のファンからの問い合わせもあったこと、ならびに今回、アーティスト本人の承諾・同意により、まず現時点で、今後は芙苑晶の公式バイオグラフィに加えている。
- ご質問のあった、幻覚植物研究所(Psychedelic Plants Research Laboratory)名義での、芙苑晶の自主制作による初期のオリジナル音源(1988年)については、再発の予定は現在のところなし。
――以上です。
したがって、当サイトにおいても、従来、アルバム・レビュー等を中心に「Aurora Heads」と記されてきたプロジェクトは、この幻覚植物研究所(Psychedelic Plants Research Laboratory)において統一してあります。
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